「裁き」の公開と公文書館
本日で一応の仕事納め(早いね~)です。29日で終わる会社も多いのでは。
さて、公開講演会の後も東京裁判60年の話題を。
9月11日から極東国際軍事裁判(東京裁判)の全記録のマイクロフィルム化が終了し、6千件の記録文書が見られるようになっていたそうです。被告の弁護人から集めた「弁護関係資料」は個人情報が多く、これまで非公開だったとのこと。
たけしが東条役のドラマが放映されたのは、終戦記念日前後に公開資料の中から東条英機のメモが発見されたことが関連したわけだと今さら知りました。
ところで、公文書館ははっきり言ってよく分からん。人生に関係ないと一度も行かずに終わりそうです。「図書館・アーカイブスとは何か」という本の中でも、日本が1987年になってようやく公文書の機能を規定する公文書館法を議員立法で制定したが、未だ認知度が低いという話が掲載されていました。
07年から公文書を民間企業と組んで公開しはじめているアメリカの話は日記にも書きましたが、一方ドイツはWikipediaと組んで公文書を広く一般に公開するそうです。
http://current.ndl.go.jp/e872
日本はマイクロフィルムで満足してていいのかッと思った次第。もっと広く裁判資料が公開されれば、東京裁判の議論も熱くなるかもしれません。もちろん公開範囲等の条件は議論した上ですが。
ネットで見られる第二次世界大戦史料
12月20日付の新聞で興味を引かれる記事があった。
大戦の史料 ネット公開 米国立公文書館(NARA)
http://www.asahi.com/digital/internet/TKY200812200138.html
日本軍兵士の日記を含む第二次世界大戦の史料50万点が今月中無料で閲覧できる。行政が民間企業と提携して大規模なアーカイブの公開を行うのは日本で聞いたことがない。
公開先は民間企業Footnote社が運営するサイト。
http://www.footnote.com/
「Japan」で検索した結果がこちら。
http://go.footnote.com/results.php?query=Japan&category=ww2
NARAは所蔵する公文書のうち、約4500万ページの電子化をFootnote社に委託、5年間は同社のサーバー上で有料公開し、その後、NARAのサーバーで無償利用できるようにする協定を結んでいる(現在はNARAの閲覧室と分館でも無償利用が可能)。
先日、電子図書館に関するシンポジウムで、書籍のデジタル化の値段が非常に高く、図書館側の作業が遅いという話題が上っていた。米国も昔は行政まかせで、スミソニアン博物館が民間に電子化を委託する際に騒動もあった(らしい)。
Footnote.comは脚注機能を付けられたり、マイページで写真をコレクションできる機能が便利。
http://akihitok.typepad.jp/blog/2007/01/wikipedia_footn_65d3.html
また、利用者が文書を投稿する機能があるので、新たな貴重文書が見つかることをNARAは期待しているとか。米国はやっぱり進んでいる。