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先生が使う大学の知

 本日は大学発教育支援コンソーシアム(http://coref.u-tokyo.ac.jp/)の「先生が使う大学の知」を聞く。昨年授業のレポートで、21世紀社会デザイン研究科の子ども用公開講座なる企画を出しており、考えを深められるきっかけにならないかと思って出かけた。

 昨年、洞爺湖サミットで初めて大学サミットが開かれた。今年はイタリアで行われるが小宮山学長が引き続き座長というお話で、学長曰く今後ここで展開されるプロジェクト(Web版教科書など)がサミットにも関わるそうだ。

 同機構は大学、教育委員会、先生をつないだネットワークを活用して、大学の知を教育現場に届ける仕組み作りをする活動を行っている。例えばお茶の水女子大学のサイエンス&エデュケーションセンター(http://www.cf.ocha.ac.jp/SEC/)は、北区、品川区など7自治体と教員研修や実験教室、理科教材供給センターを作っている。また京都市教育委員会はNPO法人や京都大学大学院と連携している。

 今後の活動として、まず先生方が学ぶための教材作りとしてポータルサイトの構築、ワークショップを行うとのこと。
 学術俯瞰講義を使ったWeb上での教科書作りが始まっているという。ひとつの講義に対し、パワーポイント、ビデオ、本文を補足するためのテキスト、見て学べるビジュアル的なファイルをリンクさせて、構造化するというもの。

 質疑応答で興味深かったのは、学長が教科間の縦割りの壁をなくしていくべきだろうという発言。理科で算数を学べる。国語の時間を半分にして他教科で学べるようにするなど、教科の関係性で相乗効果を出せるようにできないかというもの。

 高校の家庭科の先生が発言されていたが、家庭科で化学式や英語を出すと、生徒から「それは家庭科で使うものではない」と反発されるという。教科の縦割りの知識は実際の生活で使える勉強だろうかという意見に思わず納得。

 子供の理科離れを嘆く前に現在先生の多くが文系であり、理数を教えられないそうなのだ。知らなかった。

 帰りに、NPO法人「センス・オブ・ワンダー(http://sense-of-wonder-2008.cocolog-nifty.com/)」の方、科学技術振興機構の方とお話。

 4月から埼玉県戸田市の小学校で東京大学工学部の大学院生を派遣し授業を行うという。1年かけて学校と相談しながらプログラムを策定し、モデル化した上で、全国の理系の国立大学、小学校で同様のプログラムができないかということに挑戦されるとのこと。

「たとえばてこの原理というのがあります。子供たちはてこをやって何の役に立つんだろうと思う。でもそれは親や小学校の先生は答えられないでしょう。だから工学部の大学院生に最初に発表をしてもらって、てこがいつか航空工学の分野で役に立つことを先に教えれば興味を持ってもらえるし、学生の勉強にもなります」

 東大には高校生向けに「大学の勉強は職業でどう使えるか」というサイト(http://ocw.u-tokyo.ac.jp/hs/)もあるようです。
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